姉の受験の思い出

姉が大学受験で、なんとか志望校に引っかかったときの話。
その希望している大学の英語の試験で、偶然にも前日観た映画の内容が出たというのだ。

前日に映画を観ているということでおそらく皆首をひねるはずである。
受験生が、大切な試験の前日に映画を観る余裕があるものか。

けれども姉は観ていたのである。
彼女いわく、もう何やってもだめだという諦めの境地に達し、急遽映画でも観ようと思ったらしい。
実に突飛な思い付きである。
流石に映画館にいくような時間でもなかったので、家で録りためていた録画分を観た。

洋画で、なにやら結婚式のシーンが出できたらしい。
その映画では、ウェディングケーキのおすそ分けをもらって帰ってきて、それを枕の下に入れて寝ていた。
どうやらおまじないの一種らしい。
それが非常に印象に残っていたという。

そして翌日、諦めながら試験を受けた。
その英語の試験で、何と昨日見た映画の内容が出た。
あの、ケーキを枕の下に敷いて寝るというやつ。

姉は自他共に、英語が大の苦手だと認めている。
ケーキを枕の下に敷いて寝るなんて、普通に考えたらありえないような描写をみたら、いやいやそんなはずはない、間違って読んでいるのに決まっている、と思い込むであろう。

しその映画を観て、ケーキを枕の下に敷いて寝る習慣がある、という事実を知らないで問題に臨んだのなら、きっと全問間違えていたに違いない。
だから、この逸話は我が家の中では、奇跡として語られている。
本当にその大学に行く運命だったとしか思えないくらい、すごい偶然もあったものである。

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