あの頃嬉しかった駅前のアップルパイ

何もないような田舎で育ったけれど、駅の周辺は比較的にぎわっていました。
おでん屋さんやお寿司さん、居酒屋、スナックなどが何軒か並んでいて、そこだけ見ればそこそこの街のようにも見えました。
でも、100メートルも離れればただ田舎道があるだけ。

駅前以外は、私が住む場所と同じで何もない場所でした。
ですから、何か用事があって駅に行くことがあると、凄く嬉しかったことを覚えています。
時々、飲んだくれて騒いでいる父親を目撃してショックを受けることもあったりするのですが、それでも違う世界にきたような気がしてドキドキ。
嬉しかったのです。
そこに、小さな喫茶店がありました。
喫茶店と言っても、あまりおいしくはないラーメンや冷麺などもあり、一体あのお店は何屋さんだったのか今でも分かりません。
ただ、そこにあるアップルパイが魅力的で特別なお店だったことは覚えているのです。
アップルパイと言っても、今目にするようなお洒落なものではなく、サクサク感も無ければただ甘く日持ちがするようなお菓子です。
でも、子供時代それが食べられることが幸せだったのです。
あれから数十年経ち、もうそのお店は無いと聞きました。
それに、駅前もだいぶ変わり新しい飲食店もいくつかあるようです。
中には、同級生だった子がやっているお店もあると聞きます。
繁盛していて、毎日のようにたくさんの人が足を運ぶ人気店のようです。
過疎化が進む地域ではあるもの、皆一生懸命頑張って町おこし村おこしをしているのでしょう。
駅前が賑やかだと、なぜか今でも嬉しくなってしまう私です。

駅前で見かけたちょっと変わったおじいさんとワンちゃん

友達と飲みに行った時に、ちょっと変わったおじいさんとワンちゃんに遭遇しました。

友達と飲みに行った時に遭遇した変わった犬について。
その日は駅前の大通りにあるイタリアンバーで飲んでいたんですが、窓側の席だったので道ゆく通行人をなんとなく眺めながらおしゃべりしていました。
土曜日でしたし駅前ということもあって、いつもより多くの人が街を行き交っていました。
私と友達は、ビールを飲みながら行き交う人々を眺めては、「あの人綺麗だね~」「あの人かっこいいね~」などと好き勝手に人間観察していたわけなんですが・・・。

「うわっ!何あれ!?」
急に友達が大きな声を出したので、びっくりして友達の視線の先を追うと・・・。
ひとりのおじいさんが、大きなトートバッグに大きな犬を入れて歩いていたのでした。
小型犬ならまだしも、おじいさんの体半分くらいの大きさの大型犬です。
よほど重いのか、おじいさんはフラフラしているし、犬も窮屈そうにして顔だけ外に出していました。
でも、そういう風にしつけられているのか何なのか、ジタバタするそぶりは一切なく、おとなしくバッグに収まっていたワンちゃん。
すっかりバッグと一体化しちゃってました。
「何だ、あれは・・・」
「なぜバッグに入れた・・・?」
なんともシュールな光景に目を奪われてしまった私達でした。

あとになって考えると、もしかしたらあのワンちゃん、足を怪我して歩けなかったのかもしれません。
ゲージがなかったか何かで、大きめのバッグに入れて病院に連れていってあげたのかも。
それとも、ただの変わり者???

«
»